建物を守る大切な屋根も時間の経過とともに傷み、メンテナンスが必要になります。また、屋根が傷むと雨漏りが起こりやすくなります。雨漏りした雨水は天井裏から室内まで侵入し、建物全体を湿気させ天井や柱の腐食を進行させるのです。
日本にはさまざまなタイプの屋根があり、修理やメンテナンスも屋根の種類ごとに異なってきます。今回は、屋根の種類ごとに特徴や耐用年数を取り上げ、雨漏りはじめ修理について詳しく解説します。
1.屋根の修理は大別すると4区分
大きく分けると屋根の修理は、「部分修理」「葺き替え」「カバー工法」「塗装工事」の4区分です。
屋根は時間の経過で劣化し、穴が開いたり割れたりします。そんなトラブルが屋根の一部で発生するケースが「部分修理」です。また、耐用年数を超えて屋根が全体的に劣化し、屋根の各所で雨漏れやひび割れなどが起きると屋根を全面的に修理することになり、屋根の種類により「葺き替え」か「カバー工法」で修理されます。さらに、修理としても行われますが、定期的なメンテナンスでも行われる「塗装工事」があります。
2.4つの修理方法はそれぞれに特徴がある
4種類に区分される修理方法は大きく異なり、トラブルが発生している屋根の状況や、屋根に使われている屋根材の特質などで最適な工事が選ばれます。
2-1.部分修理
部分修理は、屋根のさまざまな部分が壊れたときに、その部分に絞って修理する方法です。割れた瓦の交換・ひび割れたスレートの交換や、漆喰の補修・浮き上がった棟板金の交換・天窓パッキン補修など、壊れた箇所だけ重点的に修理します。
部分修理は、修理が必要な場所だけ修理することで、最小限の費用で済むのです。工事期間も短期で終わり工事中の不自由な期間が短くなります。
2-2.葺き替え(ふきかえ)工事
葺き替え工事は、これまで長く行われてきた屋根の修理工法です。瓦屋根やスレート屋根全面を、まるごと取り換え新しくする修理工法です。瓦やスレート材などの表面の屋根材だけでなく、屋根の下地部分も傷んでいれば修理が可能になります。
葺き替え工事は、瓦すべてを交換し、屋根の下地部分まで補修することで、全面的に機能が回復し耐用年数も延びるのです。
2-3.カバー工法
最近人気のカバー工法は、現在ある屋根の上を、新しい屋根材を使ってカバーして屋根を成形します。別名「重ね葺き」ともいわれています。
従来の屋根をはがし、取り払うこともなく、取り払った場合に出てくる屋根の廃材もほぼゼロです。価格は葺き替え工事よりは低めで工期も短めです。ただし瓦葺きの屋根には、カバー工法は施工できません。
2-4.耐用年数を延ばす塗装
塗装工事を行うケースでは、前回塗った塗装が劣化して防水効果などに支障が出始めると、塗装されている既存の屋根の上から、重ねるように新しい塗料を塗る修理工法です。
定期メンテナンスでも、塗装が劣化した屋根に塗料を塗りリカバーする修理方法です。塗装修理では屋根の色を変えることもできます。また、塗装は屋根の表面を直射日光や暴風雨などから守る効果を兼ねており、屋根の耐久性を向上させる効果が期待できます。
3.屋根の種類ごとに特徴と修理方法を解説
屋根は使用されている瓦など、屋根材の種類が多く、それぞれに特徴があります。以下で4種類の屋根材を詳しく解説します。
3-1.セメント系瓦
セメント系の瓦は、基本的にはセメントと砂を1対2の重量比で混ぜた「モルタル」を型にはめて作った瓦です。セメント屋根の耐用年数は25年から30年ほどが目安です。
メンテナンスのために10年から15年に1度は塗装を行うと良いでしょう。セメント瓦は割れやズレが発生しやすく、部分修理や、葺き替え工事で修理します。
3-2.粘土系瓦(日本瓦)
粘度系の屋根瓦は、日本では最も一般的な屋根材で、重量があり風に強い点が特徴です。また、日本瓦は、割れない限り半永久的に使用でき、耐用年数は50年とも100年ともいわれています。
日本瓦は、もともと塗装されていない素材なので、メンテナンスのために塗装を行う必要はありません。ズレたり割れたりした箇所だけを部分修理で対応できます。
3-3.スレート系瓦
スレート瓦は、セメントに石綿を混ぜて高圧プレスした屋根材で、一般的なスレート屋根の寿命は20~30年です。スレート瓦は、定期的なメンテナンスをしなければ、屋根の劣化が早まります。
スレート瓦はひび割れによる交換や屋根棟の交換で部分修理ができます。塗装修理も10年をめどに必要です。また、劣化が激しい場合は屋根自体の葺き替えで修理します。
3-4.金属系屋根材
金属系の屋根材は、軽量な素材でできていて、耐震性に優れています。
金属系の屋根を大別すると、ガルバリウム鋼板・銅板・チタン亜鉛合金の3種類。中でもガルバリウム鋼板は、耐用年数は40年ほどと長く、20年に1回程度は修理も兼ねてメンテナンスの塗装が必要です。銅板の耐用年数は50年から60年、チタン亜鉛合金の耐用年数は半永久的と耐久性が優れています。
4.まとめ
以上、屋根の修理についてご紹介しました。なお耐用年数については一般的な数字で、実際には建物が建っている場所によって微妙に異なることもあります。また、屋根は定期的なメンテナンスと、早期修理を心がけることで耐用年数が延びる傾向もあるのです。
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